羽根守のハネブログ

羽根守が思ったことを書いていく、そんなブログです。

“ながら行為”があなたを苦しめる

 

 今日は頭から本題に入ります。

 

 ながら行為とは、本題以外の何かをしながら本題の作業をすることである。例えば、スマホを見ながら街中を歩くことがそれに当たる。スマホで情報を得ながら目的地まで歩くと、なんだか一石二鳥だと思うものだ。しかし、スマホを覗きながら歩く行為は目の視野が狭まり、足下しか見ていない。そのため、スマホを見ながら歩くそのヒトはインディジョーンズに出てくる"大きな大岩”のようなものである。

 ここまではまだいい。いや、周囲の人間にとってよくはないが、ここでは周りの人間は度外視することにする。

 ながら行為があなたを苦しめる理由は"ながら”行為が優先順位の上位に立つことがあるからである。夜、勉強中、音楽を変えようスマホを見ているとLINEの通知が来て、既読を踏んでしまい、急いで返信してしまう。それから相手は次々からメッセージやスタンプを送ってくる。それがなんだか楽しくなって返信返信していくうちに、『あ、もうこんな時間』となり、ムダな時間を過ごすことになる。これが本題が”ながら行為”と入れ替わった瞬間である。

 “ながら行為”の怖いのは知らない間に優先順位のトップに立ち、時間を食うことにある。しかも“ながら行為”は簡単にスイッチが入る行為であるため、すぐに手を伸ばしてしまいがちである。

 それではなぜあなたは“ながら行為”に走ってしまうのか。

 ――息抜きのために“ながら行為”をする。

 ――そもそも本題そのものがつまらないから“ながら行為”する。

 ――“ながら行為”が好き。

 などなど理由はさまざま。人間、壁にすき間があれば、手を入れたくなるものだ。だからこそ、作業の空きのスペースがあったら“ながら行為”をしたくなるのも納得できる。いけないと思っていても、「退屈は苦痛。だから何かをしながらやれば得するのではない」と思って、“ながら行為”をする。そして、知らない間にそれにハマるというのは様式美である。

 “ながら行為”は拡散的欲張りである。あれもやりたいこれもやりたいと欲望を拡散させて、実際にそれを行動化させる。あれもこれも意識を拡散されてば、集中力なんか失うことなんて知っているのに、なぜか意識を拡散させたがる。

 人間の脳はダブルタスクなんてできないというライフハック記事は至るところにあるのに、ついついそれをやってしまう。まるでダイエット中にお菓子を食べてしまう意志の弱いコみたいなことをやっている。拡散的欲張りによって、“ながら行為”が優先順位のトップに入れ替わって、自分自身を苦しませるのに。

 それでは“ながら行為”はどうすれば止められるのか? スマホの電源を切れば良いのか? いや、それは違う。スマホの電源を切った所で、マンガを読んだり、ゲームをしたり、テレビを見たりするのは目に見えている。退屈が猛牛のごとくうごめき、拡散的に欲張り出す。これが無意識レベルで働くのだからたちがわるい。意識的に止めてもらうには、家族や友だちに止めてもらうか、もしくはコーチングしてもらう必要がある。(まあ、コーチングレベルまで来たらある意味、依存症レベルだと思うが)

 だが、この“ながら行為”を止める秘策はある。それは作業場を変えてみることである。

 自宅で誘惑が多いからカフェや自習室で勉強するというヒトがいる。誘惑との距離を持つことによって、拡散的欲張りを遠ざけている。また、自分をその勉強する環境の中に入れることで、その環境の一つとなり、退屈を殺している。“ながら行為”を引き起こす拡散的欲張りはこのように対処することができるのである。

 とはいえ、作業そのものは退屈であれば“ながら行為”をしたいものだ。

 そこで“ながら行為”をしたくなったら、“ながら行為”そのものの優先順を落としてみるのが一つの手だと思う。スマホで音楽を聞いていたら出ている音を下げたり、友人とLINEしていたら10分おきにメッセージを送ると約束したりと、自分の中にある拡散的欲張りを発散させつつ、優先順位を落としす。“ながら行為”を触発させているのは退屈と得したい気持ちなのだから、それを治めれば拡散的欲張りはなくなるはずだと、言ってみる。

 それでも“ながら行為”が止まらないのなら近くの心療内科へと行った方がいいかもしれません。