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羽根守のハネブログ

羽根守が思ったことを書いていく、そんなブログです。

誰かに誘われても上座に座るな!

 

 社会人マナーにおいて上座は口酸っぱくなるぐらい注意されるものであり、また、新入社員が上座をわかっていないと、ついついそこは上座だろうと? 口走ってしまうようなものである。それだけ大事なものであるかというと人よりけりであるが、私にとって、上座というのは意外とストレスが溜まる場所だというのが最近になってわかるようになった。

 え? 会社やホテルのカフェにあるソファでくつろげる最高の場所じゃないの?

 いやいや、最高じゃない。逆に最悪な場所である。どうして最悪だというと、誰かと会話する際、“逃げる”という行為ができなくなる場所だからだ。

 ここでいう”逃げる”は相手から与えられた選択に対して、ノーと言える立場でなくなることを言う。意外だと思うがノーと言うためには経験と胆力、すなわち会話力が必要である。それがなければ、ただただ感情で押し切らなければならない。仮に感情で押し切った場合、後から人間関係の構築に多大な影響与えてしまい、最悪の結果を迎えてしまう。これはよくない。ストレスだ。上座に座るというのはけっこうハードなものだ。

 こういうことを考えるようになったのは、カフェで読書をしているときに、何らかの勧誘活動を受けていた女性を見たからである。その女性はだいたい30歳前後か。その女性は次から次へと言葉を足していくセールスマンの話をいやいやながら聞いていた。断る状況を見えなくて目線が泳いでいた。しかも、その女性は最もカフェの出入口から遠い場所の上座に座っていた。

 ――ああ。これはやられるな。

 自分の立場を守りつつ、相手のプライドを傷つけないする日本人にとって、こういう場所を取られたらけっこうまずいものである。セールスの地政学が働いて、相手にノーと言えないマイナス補正を掛けることができるのだ。

 そういえば、私もジュエリーの勧誘を受けて、こういう状況に追い込まれたことがある。まあ、お金がなかったから1カラットたりとも買う気なんてなかったが、あのときもセールスの地政学が働いていたのだなと思う。壁際に追いこまれて目の前に二人、横に一人にするポジショニングをかまされた気もするが、それでもノーをつっぱしった。ただハッキリとノーと言えない雰囲気を作り出していたため、長時間沈黙していたことを覚えている。今になってわかったが、相手は本気にジュエリーを買わせようとしたのだと気づいた。考えてから買わす気はなかったのだ。

 こう考えてみると、上座というのは誰かをダマす場所なのかもしれない。セールスマンがお客を上座に座らせるだけで精神的に追い込むことができて、ノーと言わせない。作用が働く。これは怖い。

 もしかすると、日本人はノーと言えないと指摘されるが、ノーと言えないのは人間関係のこじれを怖れている以外に、今自分のいる場所に何らかの問題が生じている可能性がある。上下関係があるのならまだしも友人関係でノーと言えないのなら、逃げ場のない上座に座らされているのかもしれない、と、言ってみる。