羽根守のハネブログ

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1ヶ月遅れの『アヴェ・マリアのヴァイオリン』

 

 □ 『アヴェ・マリアのヴァイオリン』を読んだ理由

 今日のこの一冊は『アヴェ・マリアのヴァイオリン』、夏休み読書感想文のお題に出ていたこともあって一度は読んでみようとしていたが、なかなか読む機会がなかった。飛び石連休ということで読む機会が生まれ、一読してみた。

 

 ・ 読書感想文の課題図書としてレベルが高すぎる。

 

 『アヴェ・マリアのヴァイオリン』がどんな内容かは中身を見るまでわからなかったが、登場人物を見た瞬間、「あ、これは、難しい読書感想文になっているな」と思った。なにせ、この本はアウシュビッツ強制収容所にいた少女の物語だからだ。

 物語のあらすじは、日本人の少女あすかが手にしたヴァイオリンは、実は、アウシュビッツ強制収容所にいた少女ハンナのものだと知り、そこからハンナの半生について語られる物語へとなる。

 アウシュビッツ強制収容所と言えば、第二次大戦中、ユダヤ人大量虐殺や人体実験場として名を知られている場所である。

 ユダヤ人であるハンナ・ヤンセン一家はドイツ軍に捕まり、強制的にこの収容所へと連れて来られた。音楽の才能があったハンナはドイツ軍の音楽隊に所属し、最高の音楽を奏で続けなければならない、というのがこの本のストーリー展開である。

 正直言って、高校生がこれを読書感想文で書くのはキツイ。アヴェ・マリアのヴァイオリンを手にしたあすかという立場でこの話を聞いた側として書くのか、それとも、ドイツ軍の迫害を受けたハンナの立場になって書くので、だいぶ感想が変わってくる。

 主観的に書くか俯瞰的に書くか、個人的には俯瞰的に書くしかないと思う。というのも、過酷な運命にさらされるハンナについて書くのは難しい。飢えを知らない現代の若者が戦争の俘虜(ふりょ)としての立場を書いても、うわべだけ作っているお涙頂戴レベルの感想になってしまう。ここは、あすかの立場になって、ハンナの話を聞いている感想を書くのがいいだろう。

 ここで大切になるのが、第一話のあすかを読んで、どれだけ自分があすかになりきれるか。何も知らない無垢な少女あすかとなって、アウシュビッツ強制収容所の惨劇について、どのように思うかがキーとなる。

 悲しいや苦しいという言葉では言い表せない、戦争の重みをどう表現するか。これがこの読書感想文の狙いだと、私は思った。

 

 ・ 1ヶ月遅れの読書感想文

 

 読書感想文の道標を9月半ばでやったところで、誰も参考になるはずがないが、『アヴェ・マリアのヴァイオリン』を読んだ記録として書いてみた。

 個人的に、この本を誰かに勧めたいのなら、友達同士ならノー、職場上ならイエスというべきか。この本を読んでいて指の爪が剥がれるような痛みを覚えたので、この本を読むのなら覚悟して読んだ方がいいだろう。

 

 それで、読書感想文のコピペ文章は何処?

 この本に関して、コピペ感想文じゃ先生から怒られますよ。ホントに。

 

アヴェ・マリアのヴァイオリン (単行本)

アヴェ・マリアのヴァイオリン (単行本)